






成型合板で作られた茶杓
家具デザイナーの久野さんは、長年「成型合板」に魅了されてきました。成型合板とは、薄い木の板を幾重にも重ね、加圧して曲面をつくる技法で、無垢材よりも軽くて強度のある形を実現できます。もともとは航空機の翼のために開発された技術で、日本の天童などでも今なお受け継がれています。
ある日、奥さまがDIYキットで抹茶用の匙(茶杓)を作っているのを見て、久野さんの頭に「これ、成型合板でも作れるのではないか?」と、ひらめきました。
その瞬間から新しいものづくりが始まりました。バランスや先端の形、全体のフォルムを何度も調整し、試作を重ねることで、実用性と造形美を兼ね備えた茶杓が生まれました。竹とは異なる木材構造により、ほのかな耐湿性を備えているのも特徴です。

3つのZenkyu Matchaオリジナル茶杓
Nami(波)
2枚の薄板を重ね合わせることで、自然な波のような模様を表現。切れ目を入れず、一つひとつ丁寧に手作業で成形されています。
Leaf(葉)
庭にあるオリーブの木から着想を得て、久野さんが最初に手がけた茶杓。やわらかな葉の形は、新しい始まりの象徴でもあります。
Tatewaku(立涌)
着物に描かれる文様からインスピレーションを得た流れるようなデザイン。成型合板ならではの、滑らかで途切れのない曲線美を際立たせています。

作者久野さんから
「自分なりの使い方で楽しんでもらえたら嬉しいです。使っていない時でも、キッチンの片隅に小さな彫刻のように置いて、愛でてもらえたらと思います。」
— 久野さん