



楽茶碗とは
楽茶碗(らくちゃわん)は、茶道のために作られる日本の伝統的な抹茶碗です。
ろくろを使わず、陶工の手と簡単な道具だけで成形されるため、手にしっくりと馴染む温かみのある有機的な形が生まれます。
黒楽の深みのある黒、赤楽のやわらかな土の色合いなど、それぞれが独自の表情を持ち、同じものは二つとして存在しません。すべてが一点物の器です。

受け継がれた伝統
楽茶碗の起源は16世紀の日本にさかのぼります。
千利休が初代・長次郎に製作を依頼したのが始まりとされています。それ以来、楽家によって450年以上にわたり受け継がれてきました。
一碗一碗には「わびさび」の精神が宿り、日々の抹茶のひとときに静かな深みをもたらしてくれます。

赤楽
赤楽(あからく)は、やわらかな土の色合いと温かみのある丸みを帯びた姿で知られています。
赤土や白土を用い、ろくろを使わず手で成形されるため、やさしい質感と落ち着いた趣が生まれます。歴代の茶人にも愛されてきた赤楽は、抹茶のひとときに温もりを添えてくれる存在です。